歯医者さんはむし歯を治すところというイメージをお持ちの方も多いですが、近年ではむし歯を予防する場所へと変わりつつあります。予防治療とは、むし歯や歯周病にならないために、定期的に歯医者さんにて検診やクリーニングを受けて歯を守ることです。健康診断と同様、最低でも半年に1回は検診を受けることで、痛い治療や長い通院を避けることができます。
予防治療の通院頻度の目安
一度予防処置(PMTCなど)を受けたからといって、予防効果が続くわけではありません。定期的に予防治療を受診することに意味があるのです。
自覚症状が出る前に予防をしましょう
初期のむし歯や歯周病には自覚症状がありません。自覚症状が出た段階ではすでに悪化してしまっていることが多いため、治療が遅れると治療期間が長引き、最終的には抜歯することにもなりかねません。定期検診を受けることは、良い状態を維持していく意味合いのほか、万が一歯の病気にかかっても早期発見・早期治療ができるというメリットがあるのです。
個人に合った間隔での定期検診
歯の状態は人それぞれです。当院では患者さん一人ひとりに合った期間を設けての定期検診をおすすめしています。「痛くなったら歯科医院へ行く」というのではなく、歯にダメージを与えないスパンで予防処置を受けることが、将来の健康へとつながるのです。
歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の境目が深くなればなるほど、歯周病は進行しています。健康な状態の歯茎では、歯周ポケットの深さは1~2ミリですが、歯周病が進行していると6ミリ以上になることもあります。 また、歯周チェック時に出血が見られたり汚れが付着したりするのは、お口の状態が良くない証拠です。歯周ポケットの深さを調べることで、ある程度お口の健康状態を把握することができることから、当院では初診時に歯周チェックを行っています。
PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医師や歯科衛生士が専門機器を使って歯のすみずみまでプラークを除去するクリーニングです。歯と歯の間、歯と歯ぐきの間など、ホームケアでは取りきれないプラークも除去できます。仕上げにフッ素塗布を行って歯質強化します。
PMTCの効果
むし歯予防
プラークをすべて除去し、細菌がつくる膜「バイオフィルム」を破壊します。プラークを再び付着しにくくします。
歯周病予防・改善
歯肉縁下1~3mmの歯周ポケットのプラークまで除去できるため、歯周病予防と歯周病の症状の改善が期待できます。
着色除去・防止
茶渋やタバコのヤニなど、軽度の着色汚れの除去が可能です。汚れを落とした歯の表面に、光沢のある歯本来の美しさがよみがえります。
歯質強化
フッ素入りペーストでの研磨や仕上げのフッ素塗布により、歯の再石灰化を促し、歯の表面のエナメル質を強化します。
清掃
専用機器でプラークを除去します。歯の裏側や、歯と歯が重なっているような細かい部分もすっきりキレイに!
研磨ペースト&研磨
研磨剤を使って、歯をすみずみまで磨きます。歯の表面がツルツルになり、プラークが再付着しづらくなります。
歯間のクリーニング
歯と歯の間をデンタルフロスで清掃し、洗浄します。
フッ素塗布
仕上げにフッ素を塗布します。歯質を強化し、むし歯予防や初期むし歯の再石灰化に効果を発揮します。
スケーリングとは、歯や歯根の表面に付着した歯垢や歯石を除去することです。歯石はカチカチに固まっているため、普段のブラッシングでは落とすことができません。歯科衛生士がスケーラーと呼ばれる専用の器具を使用して、歯から汚れを剥がすように歯石を落として綺麗にしていきます。
歯周病が進行している場合はSRPを、問題ないと判断した場合はクリーニングを行います。SRPとは、スケーリングでは取りきれない歯根や歯周ポケットに入り込んだ歯石などを、専用の器具にて搔き出す方法です。見えない部分の汚れが綺麗になったら、あとは歯科専用の歯みがき剤を用いてクリーニングを行い、ツルツルの白い歯に仕上げます。